手作りご飯も『総合栄養食』であるべき?

ワンちゃんネコちゃんと暮らす人々にとっては
『総合栄養食』という言葉は既に耳馴染みがおありのことと推察致します。
”水とそのフードさえ与えれば必要な栄養分をすべて摂取できる”とされるフードのことです。
日本では主にAAFCO(米国飼料検査階協会)という機関が定める栄養基準が採用されています。

手作りご飯をこれから試してみようという方にとっては
これが呪いのように重くのしかかってくることが多々あるようです。
「基準を満たしたご飯なんて自分に作れる気がしない!」と。。。

そして最近ネット広告で非常によく見かけるようになった
「総合栄養食に準拠した手作りご飯」という市販品。

そう言えば和音サロンの近くに昨年末オープンした犬の手作りご飯屋さんでは
9種類あるメニューのうち1種類のみ「総合栄養食」だそうです。
それ以外はAAFCO基準を満たしていないのでドライフードのトッピングとして与えることをお奨めされました。
手作りご飯専門店でありながら、販売している商品の大半はそれだけで食べると問題が起こるといっているかのようで残念!
総合栄養食であることはそれほどまでに重要で、手作り食であってもそれに準拠して作らなければ犬猫を病気にしてしまうものなのでしょうか。

確かに人間も犬や猫も、栄養素を一定量以上摂取しなければ健康を維持していくことが困難になるので、犬猫の食事のためにAAFCO基準をそのガイドと考えるならば厳守したいと思うことは間違いとは言えません。
ただ、AAFCOが定めるミネラル摂取量を見てみると、カルシウムについて、特に犬に必要とされる量が妙に多いことが気になります。
体重ベースで比較すると人間の必要量の約5倍とされています。
これに準拠して手作り食を実践しようとすると、人間の食事と同じ感覚で食材を選べば基準のカルシウム量を満たすことは難しいため、手作り食を実践することに自身が持てず、基準の量が配合されているフードを与える方が安心だと考える人がいるのは無理もないことです。
市販の手作り”風”フードはそこに目をつけて、その基準を満たすレシピを専門家監修のもとに作っています!などという謳い文句で安心させて販売しているわけですね。

しかしながらこれ、実際の食材で作ってみようとすると本当におかしなことになるんですよ。
で、市販の「手作り総合栄養食」がどうやってそれをクリアしているかと言えば、結局本来の料理としては不必要なものを食材以外のもので添加しているのです。サプリなどで。これは完全に「基準」を満たすための帳尻合わせでしかありません。

そしてこのAAFCO基準のカルシウム量は本当に犬にとって必要な絶対量と言えるのかについては疑問を抱かざるを得ません。

長い歴史の中で見れば犬や猫にフードを与えるのが主流になったのはつい最近のこと、日本ではせいぜい20~30年程度の期間です。
それよりはるか昔から犬や猫は世界中に生息しており、特に犬は人間によって様々な種を作出され、人間から食事を与えられて生きてきた動物です。そのような生活の中で犬たちが人間の5倍以上のカルシウム量を毎日摂取することができたとは考えにくく、それが原因で病気になるのであれば、とうの昔に地球上から姿を消していたのではないでしょうか。

そもそもミネラルなどの微量栄養素はある程度の期間で一定量が摂取できてさえいれば、身体に備わった機能が必要に応じて自動的にそれを貯蔵したり放出したりして調整してくれるので、毎食ごとに神経質に基準料を図って与える必要などありません。
そしてもしそれが全期間を通してAAFCOが定める量に達していなかったとしても、問題が起こっていないならば本来の必要量を満たしていると考えて良いはずです。
万が一長期間に渡って不足してしまい、欠乏症の症状が現れたとして、それに気づいてから補うことで決して手遅れにはなりません。
それにも関わらずAAFCO基準が存在する理由は、フードを製造し販売する側の都合にほかならないのです。
日常的な食事としてフードを取り入れる場合には、一定期間同じものを食べ続けることになりますから、毎回の食事の中に必要な量がすべて入っていなければ他で補う機会はないため、基準を満たさないペットフードは確かに「危険」と言えるかもしれません。

一方手作り食だと、人間の食事と同様に旬の食材などその時手に入ったものを利用し、日々いろいろなものを食べることになります。ある日何らかの栄養素が少なめだったとしても、別の日に多めに取るなどして長期間でバランスが保たれれば何も問題はありません。
私たち人間と同じように、犬や猫たちも食の変化を楽しみながら健康な身体を維持していくことは容易にできるのです。
愛犬愛猫を手作り食で育てるにあたっては、「栄養基準」「総合栄養食」であることに翻弄され頭を悩ますことなどまったくもって不必要なことです。

おまけの話ですが、、、
最近の「市販の手作り食」ブーム(!?)を見て感じること。。。
手作り食って本来家庭料理のことだったはずではないかと。
どこかの会社が作ってパッケージ化されたものはレトルトフードですよね。

それが悪いと言っているわけではないですよ。
私たち人間もそのようなものを利用して簡単手軽、その割に十分美味しい食事を楽しむことがあるわけですから。
現在主流となっているドライフードに比べれば、自然な水分を含んだご飯はずっと身体によく
ワンちゃんにとってもたいへん魅力的だと思います。
ずっと食が細くて悩んでいたというママさんが
「これに変えたら喜んで食べるんです」という文面を広告でもよく見かけますが
さもありなん、、、と思います。

でもそれが、「おうちで作るお料理より優れている」と考えている方がいらっしゃったら
それはそうではありませんよ!とお知らせしたい。

手作りご飯は、おウチで食材からその日ごとに(もちろんまとめてでも)作るものであり、
メニューはその時々でテキトーに変わっていいのです。
だからご自身で作りたいとお考えの方は躊躇したりせず、自信をもって実行してください。

上記のような手作り「風」フードがたくさん出てきたこともそれはそれでよいことだと思います。
冷凍品を買っておいて、作れない時にはレトルトを利用したりと上手に手抜しながら
気軽に手作りご飯を楽しむ方が増えてくれたらいいなと願っています。

それでも心配な方は、APNAのペット食育入門講座のご受講をオススメします。
悩んでいる時間はもったいないです。
疑問や悩みはさっさと解消して楽しいワンニャンライフを!


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