イカやタコは消化に悪い?
生の魚、イカやタコ、スルメについて、「消化に悪い」という意見を耳にすることがよくあります。
環境省が出している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン~犬・猫の健康を守るために~」には「消化の悪さから下痢や嘔吐の原因」になるとされ、「避けたい食材、注意が必要な食材としてリストアップされています。
イカやタコを犬・猫に食べさせることは危険なのでしょうか。
確かにイカやタコ、スルメは食感がゴムっぽく、噛みごたえがあり、なかなか噛み切れないことが多いので、消化に悪そうな印象を持たれるのも無理はありません。
しかし実際にはイカやタコ、スルメの消化率は極めてよいのです。
そもそも消化に悪い食べ物とはどんなものでしょうか。それは食物繊維を多く含む食材です。
私たち人間や犬や猫も含め哺乳類は皆、食物繊維を消化することはできないため、食べても消化器官を通過してそのまま出てきます。
一方イカやタコ、スルメの食物繊維含有量はゼロであり、消化率は実に90%以上なので、むしろ消化によい食物と言えるのです。
どんなに食感が固く噛み切りにくいものであっても胃に入れば胃液によってもみくちゃにされきちんと消化されるのです。
皆さんも、野菜を食べたら翌日そのまま出てきたという経験をされた方は多いと思いますが、イカやタコがそのまま出てきたなどということはないはずです。
きちんと消化されている証拠です。
また、知り合いの家では、家族みんなで駅弁のイカ飯が大好物で、機会を見つけては誰かがイカ飯弁当を買ってきて、そのたびにワンコもおこぼれをもらうという生活を5年以上続けていると聞きました。
そのワンちゃんは下痢や嘔吐をすることなどなく、毎回元気に楽しく家族といっしょにイカ飯を食べています。
以上のことから、イカやタコを食材として使う上で消化について心配する必要はまったくなく、特に避けたり注意したりしなければならないことはないと私は考えます。