生卵はキケン??

環境省が発行している『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』には、
生卵に含まれるアビジンという酵素が、皮膚炎、成長不良の症状を引き起こすことがあります。
(加熱調理して与えれば問題ありません)とあります。

そういうことなら、加熱しておけば何の問題もないということですね。
でももし生卵を割っておいたら犬や猫に舐められてしまった!なんてことが起こったら、
どうなってしまうのでしょうか??

そもそも生卵の何が問題とされているの確認してみましょう。
生卵にはアビジンという成分が含まれています。
これは腸内でビオチンと結合するのですが、その結合の度合いがたいへん強力であるという特徴があります。
このことから、
『ビオチンを大量に摂取すると腸内にあるビオチンが根こそぎつかまって排出されてしまうので危険!』
という警告には一理あるかもしれません。

しかしながら、
私はその説には違和感を覚えます。
海外ではあまり生卵を食べる習慣はないようですが、日本には『卵かけご飯』という文化がありますね。
上の説が本当であれば、多くの日本人がビオチン欠乏症に陥っていてもおかしくないはずですが、
実際にはそのようなことにはなっていません。

『大量に摂取すると』とはどの程度の量のことを指すのでしょうか。
その量はヒトでいうと、1日10個の生卵を毎日食べ続けた場合に、
何日か経過した後にビオチン欠乏症という状態になることができるということです。

この量をイヌやネコに換算してみますと、
体重1kg~4kgの小型犬やネコの場合は毎日1個、
5kg~9kgだと毎日2個、
10kg以上であれば、毎日3個以上という量になります。

人間にとっての10個で想像してみて頂ければおわかりかと思いますが、
生卵を10個食べるというのは、たった1回でもかなりたいへんなことですよね。
ビオチン欠乏症以前になんだか気持ち悪くなるはずです。

ある日、あなたの愛犬や愛猫がたまたま生卵を食べてしまうことがあったとしても
これ以下の量であれば何も問題はないですし、
万が一上記量に相当する量を食べたとしても、
毎日食べ続けなければ問題はないのです。

卵はプロテインスコア100と言われるたいへん良質なタンパク質を含んでいます。
基本的には加熱して、
たとえ生でも常識的な量なら心配せずに
大いに利用してみましょう。

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